2015-12-16 寄鍋 俳句 寄鍋でくもりし眼鏡隠す笑み ー寄鍋 野菜、魚介、鶏肉、その他好みの材料を取り合わせた鍋料理の一つ。何を入れてもよく、上等の品でもまた有り合わせの品でも楽しめる。 寄鍋に主客閑話や主婦多忙 星野立子
2015-12-15 冬鴉 俳句 朝の街闇の残り火冬鴉 ー冬鴉 寒中に見る鴉をいう。ところどころ雪のある冬田の中を、鴉が餌を求めて歩く。一、二羽で現れることが多く、なんとなく哀れで親しみがわく。餌の無き、厳しい冬を生き抜く姿に惹かれるものがある。 木の如く凍てし足よな寒鴉 富田木歩
2015-12-14 湯気立 俳句 湯気立ちてまどろむ先に母をみる ー湯気立 部屋の乾燥を防ぐため、蒸気を発生させること。火鉢に薬罐をかけたり、市販の電気加湿器を用いたりする。風邪の予防に有効である。 湯気立てゝひそかなる夜の移りゆく 清原枴童
2015-12-10 薬喰 俳句 言葉なく汗が語りし薬喰 ー薬喰 養生のため、栄養食を摂ること。古くは仏教の普及により肉食が禁止されていたが、寒中には薬と称して獣肉を食べた。鹿は美味なので特に好まれ、その鍋は紅葉の縁で紅葉鍋という。 手燈しの低き明りやくすり喰い 太祗
2015-12-06 冬紅葉 俳句 水の底さわれぬ季節冬紅葉 ー冬紅葉 冬になってもなお美しく残っている紅葉。半ば散り失せて濃い紅葉が残っているのもある。残る紅葉。 なお燃ゆる色を尽して冬紅葉 稲畑汀子
2015-12-03 炬燵 俳句 炬燵出て風呂に入るも頰にあと ー炬燵 切炬燵は炉を切った上に櫓を置き、炬燵蒲団を掛けてもちいる。置炬燵は炉の代わりに昔は炭、炭団、豆炭などを燃料とする小火鉢などを入れたが今は電気炬燵がほとんどである。 住つかぬ旅のこゝろや置火燵 芭蕉