白い砂浜に黒いワンピースの女性が背筋を伸ばして裸足で立っている。
髪は長くてうつむいている顔は見えない。
彼女はなにかに耳をすますようにじっとしていたのだけれど、風がやむのと同時に倒れるように身体を傾けて脚を前に出した。
顔をあげた彼女は助走をつけるようにステップを踏み、くるりとまわりながら両手をひらいて片足で跳んだ。
黒髪がみだれてスカートがゆれる。
小さな影が彼女のステップを追いかける。
音もなく着地した彼女は手をのばしてなにかをやわらかく抱きしめ、次のステップへながれていく。
絶え間ない動きのなかで目をつむる彼女はこの上なく楽しそうに見えた。