小川と子ども
小川が流れている。
自然のものではなくて、両岸は石できれいに整えられていた。脇には木々が連なって川を覆うように陰をつくっていた。どうやら神社の境内の先から流れていて、参道の横の広い林のなかを通りぬけて近くの大きな川へとつながっているようだった。五月に入って、白い砂利の参道を外れると緑がそこかしこにきれいにもえていた。
参拝を終えた人だろうか、それとも川を目的に来た人だろうか、橋の近くに人が集まっていた。歓声が聞こえると、子どもが真裸で小川に飛び入って水をかけあっているのが見えた。川岸の親は「きちんとなさい」と言って散らかった服を拾っている。奥の木陰には子どもの遊ぶ姿を微笑むように眺める若い男女の姿があった。