フラニーとフラニーやねん

川上さんと野崎さんを読み比べてみた。

 

「ちゃうねん。張り合うのが怖いんじゃなくて、その反対やねん、わからんかなあ。むしろ、張り合ってしまいそうなんが、怖いねん。それが演劇部辞めた理由やねん。私がすごくみんなに認めてもらいたがる人間で、誉めてもらうんが好きで、ちやほやされるのが好き、そんな人間やったとして、そやからって、それでいいってことにはならんやんか。そこが恥ずかしいねん。そこが厭やねん。完全な無名人になる覚悟がないのが自分で厭になったんよ。私も、ほかのみんなも、内心は何かでヒット飛ばしたいって思ってるやろ。そこがめっさ厭やねん」

 

「張り合うのが怖いんじゃないわ。その反対よ。分からない、それが?むしろ張り合いそうなのよーそれが怖いんだわ。それが演劇部をよした理由なの。わたしがすごくみんなから認めてもらいたがるような人間だからって、だからかまわないってことにはならないわ。そこが恥ずかしいの。そこがいやなの。完全な無名人になる勇気がないのがわたし、いやんなった。わたしもほかのみんなも、何かでヒットを飛ばしたいと思ってるでしょ、そこがいやなのよ」