緑の地面に顔を近づけると、そこには小さな森が延々と広がっていた。

苔のひとつひとつが特徴を持ち、互いを損なうことなく群れをなしている。そして森の世界からすれば、世界樹ともいえる木の陰がきれいに三本、縦に影を映している。この緑の世界を見上げることが出来ればと思うが、それは叶わない。仕方なく、苔の森に落とされた影になかば溶け入るようにして空を見上げる私を、想像する。

 

f:id:may88seiji:20120414163851j:plain