言葉の射程距離

言葉には射程距離がある、その考えを放ったらかしにしていたので書いて整理してみようと思う。

 

射程距離とは、言葉で“表現したもの”と“受け手に想起されるもの”の幅のことだ。その差は往々にして誤りを生む。

例えば、ある人が「マック」と言ってマクドナルドを意識しても、聞き手はマッキントッシュを思い浮かべているかもしれないということ。一致しなければ、射撃は命中ということにはならない。

ここで恐いのは、発語者のほとんどが生まれたであろう誤差を認識しないことだ。受け手が違和を表明しなければ誤差は確かめられないのだが、そもそも受け手は何を意図しているのかを知らない。後になって何か間違い(用件の伝達ミスなど)が起きなければ言葉の誤差が明らかになることもなく、そのままお流れになる。

そして私が“言葉の射程距離”について文章を書いているのも、その誤差を後で知って、赤面というか、あの言葉の連なりは何も意味してなかったのかとショックを受けたからだ。相手にも申し訳なかったし、その時の自分を思うとなんとも恥ずかしい。

だから、言葉の命中率をあげるにはどうしたら良いのだろうかと考えたのだが、浮かぶ案といったら、“自身が使う言葉の表現の幅を把握して、その連なりがどのように他者に捉えられているかを逐一確認していく”という地道で大変面倒な作業くらいだ。…他に何かあるだろうか(是非教えてほしい)。

表現が巧みな人は、言葉の幅を把握した上で、A、B、C…とどの方法でいくのがより効果的かと考えるらしい。つまり、命中率は高いのが前提で、どうやって狙うのがいいのかと試行錯誤できるということ。

この文章の“表現したもの”と“受け手に想起されるもの”にさえ、どれくらい幅があるのかとおののいている私には遠い話だけれど、書かないことには始まらないのも確か。

だから何か?…ええっと、そうですね。ブログの頻度、すこしづつでも良いのであげていこう、と思います 笑